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院長コラム:風邪(5)

風邪(5)

風邪=副鼻腔炎(鼻症状)+咽頭炎(のど症状)+気管支炎(胸症状)です。前回は咽頭炎(のど症状)についてでしたが、今回は気管支炎(胸症状)について説明していきます。

気管支炎の症状としては、当然咳・痰ということになります。風邪をひけば、多かれ少かれ気管支炎(胸症状)がつきものです。

ここでも原因になるものの90%以上ウイルス性です。残りの10%以下の原因がマイコプラズマ・クラミジア・百日咳などが原因と言われています。ですから、ここでも抗生剤が必要なケースは非常に限られたケースだけということになります。ただし気管支炎だったものが、徐々に悪化して肺炎をおこすことがあり、そのような場合には抗生剤が必要になります

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ここで気管支炎で使う薬について説明していきます。

(1)鎮咳剤
(メジコン・リン酸コデイン)
(2)蛋白分解酵素
(ムコダイン)
(3)漢方薬
(麦門冬湯)
(4)気管支拡張剤
(キプレス/シングレア)
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(1)鎮咳剤とは咳どめの薬です。鎮咳剤には脳の咳中枢(咳が出るように指令する所)の抑制に働く中枢性鎮咳剤(リン酸コデイン)と気管支等が過敏な状態になっているのを和らげる末梢性鎮咳剤(メジコン)とに分けられます。気道分泌物の多い場合に中枢性鎮咳剤を使用すると分泌物の排出を妨げ、かえって治るのが遅くなることがあるので注意が必要です。

(2)蛋白分解酵素は痰の粘り気を低下させて排出しやすくしたり、痰を溶かして排出しやすくする薬です。似たような機序の薬として、ムコソルバン・ビソルボンなどがあります。

(3)漢方薬の麦門冬湯(ばくもんどうとう)は、痰を切り、咳を和らげます。のどの乾燥感や違和感を改善します。通常、咳の出る人などに用いられます。

(4)気管支拡張剤は気管支の収縮を抑制して、気管支喘息に伴う咳や、息苦しさなどの症状を緩和します。風邪をひいて胸症状がでる場合に、呼吸が「ヒューヒュー」となりやすい人や、他の薬でも改善しないケースでは処方することがあります。