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院長コラム:風邪(4)

風邪(4)

前々回から説明しておりますが、風邪=副鼻腔炎(鼻症状)+咽頭炎(のど症状)+気管支炎(胸症状)です。前回は副鼻腔炎(鼻症状)についてでしたが、今回は咽頭炎(のど症状)について説明します。咽頭炎の症状としては、当然のどの痛み・飲み込みにくさということになります。風邪をひけば、多かれ少かれ咽頭炎(のど症状)がつきものです。

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咽頭炎でも原因になるものの殆どがウイルス性細菌性のものは大変少なく、抗生物質が活躍することも少ないとされています。ただ少ないながら細菌性のものもあり、その中では溶連菌が原因になることが多いとされています。

溶連菌感染症は子供に多い疾患ではありますが、大人でも感染する可能性があります。最近は外来で溶連菌感染症を素早くcheckできる検査キットがあり、比較的簡単に診断できます。もちろん症状である程度鑑別することができます。

  1. 38度以上の発熱
  2. 頚部リンパ節腫脹
  3. 白い苔のようなものが付着し扁桃腺が腫れる
  4. 咳がない

上記(1)~(4)のような症状のあるものであれば細菌性(特に溶連菌)の可能性があり、速やかに抗生物質投与が必要になります。しかし、このような細菌性のものは全体の1割もなく、殆どがウイルス性ということで、ここでも抗生物質が活躍することはあまり多くありません。

ここで咽頭炎(のど症状)に対して使う薬を並べてみます。風邪症状には漢方薬を使うことが多くあります。咽頭炎(のど症状)も同様です。

(1)漢方薬
(桔梗湯・小柴胡湯加桔梗石膏)
(2)抗プラスミン薬
(トランサミン)
(3)殺菌消毒薬含トローチ
(SPトローチ)
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桔梗湯はのどの痛みが強い場合に内服していただく事が多く、小柴胡湯加桔梗石膏は炎症所見が強い場合に使います。トランサミンも同様にのどの痛みが強い場合に使います。トローチについては感染予防目的で使うことが一般的な使用法です。