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院長コラム:不眠症について

不眠症について(1)

現在、日本には不眠症で悩んでいらっしゃる患者さんが672万人と推定されています。その中で睡眠剤を内服されている患者さんは200万人程いらっしゃいます。

不眠症には大きく分けて、なかなか眠りにつけない入眠障害と、眠りが深くならない熟眠障害、途中で目が覚めて眠れなくなる中途覚醒、そして早朝になったら必ず目が覚めてしまう早朝覚醒の4つがあり、その中で最も頻度が多いものが入眠障害です。

院長コラム:不眠症について

アメリカで睡眠時間と死亡率に関する調査を行ったところ、死亡率が最も低いのは6.5~7.4時間睡眠をとっている人達で、睡眠時間がそれより少なくても、多くても死亡率が上昇するという報告があります。もちろん睡眠は量だけでなく、質も問われます。

院長コラム:不眠症について

当院では、患者さんに「すんなり・ぐっすり・すっきり」眠っていただくことを説明致しております。

「すんなり」とは、早く眠りに入り、「ぐっすり」とは深く眠っていただき、「すっきり」とは気持ちよく目覚めていただくということです。しかし、上記のように不眠で悩まれている患者さんは多く、なかなか実現できないことも多いようです。

薬を使わないで眠っていただく工夫

不眠症についての治療の多くは安定剤や眠剤と呼ばれている睡眠導入剤を使うことが一般的です。お薬については来月またお話ししたいと思いますが、ここでは薬を使わないで「すんなり・ぐっすり・すっきり」眠っていただく工夫についてお話しします。

  • 就寝4時間前からコーヒー・紅茶・緑茶などは飲まない。
  • 就寝1時間前の喫煙も眠りの質を低下させます。
  • 睡眠薬代わりの寝酒は厳禁。眠りの質を低下させ、飲酒量を増加させます。
  • 夕方から夜の適度な運動は寝付きを助け、熟睡をもたらします。
  • ぬるめの入浴・読書・香り・ゆったりとしたストレッチなど自分にあったリラックスを探しましょう。
  • 自然と眠くなってから寝室に向かいましょう。
  • 寝室はカーテン・窓などの工夫で、静かさと暗さを実現しましょう。
  • 寝室は温度・湿度の調節をしましょう。