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院長コラム:不眠症について(2)

不眠症について(2)

眠れないで困っている患者さんは全国で735万人いると言われています。その中で最も多いタイプが入眠障害といってなかなか寝付けないタイプの不眠です。このような患者さんには先月書きましたような「すんなり・ぐっすり・すっきり」眠っていただく工夫だけでは、うまくいかない事が多く、お薬を使っていただくことも少なくありません。

睡眠導入剤については今までの開発の歴史や誤ったテレビドラマや映画などのイメージでことさら危険性を増長させるような話が多く、皆さんの中に間違った認識をお持ちの方が多いようです。私達が外来で「睡眠導入剤」についてよく受ける質問の代表例を呈示します。

不眠症Q&A

質問:睡眠薬を飲み続けるとぼけやすい?

答え:ボケることはありません。
ごく稀に副作用として記憶障害が出ることがあるために、ボケと勘違いされることがあります。それを防止するためにも睡眠導入剤内服後は早く床につくことや、アルコールとの併用しないことを指導しています。

質問:睡眠薬を飲むと翌朝起きられなかったり、日中眠くなったりするのでは?

答え:最近一般的に使用されている睡眠導入剤の多くは超短時間作用薬や短時間作用薬といって作用時間が短いものは2-3時間、長いものでも6-7時間と薬の効果が翌朝まで持ち越さない薬を使用しているケースが殆どですので、そのような心配はありません。

質問:大量に服用すると死ぬことがありますか?

答え:以前の古い睡眠薬では、そのような危険性もありましたが1960年代に開発されたベンゾジアゼピン系や1970年代に開発された非ベンゾジアゼピン系の睡眠薬では重大な身体疾患や脳の病気を合併している場合を除いて、死に至ることはありません。

質問:アルコールによる睡眠はなぜいけませんか?

答え:アルコールによる睡眠は寝付きはよくなりますが、夜間トイレで目が覚める機会が増えたり、比較的に浅い睡眠になることが多く、途中覚醒することが多いと言われています。また徐々に飲酒量が増えていくケースもありますので注意が必要です。
質の良い睡眠を確保するために「すんなり・ぐっすり・すっきり」眠るための環境の確保や薬の内服や薬の変更などを考えてみてください。

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