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院長コラム:高血圧について(2)

高血圧について(2)

以前より、血圧が高ければ高いほど脳卒中・心筋梗塞・心疾患・慢性腎臓病などにかかりやすく、死亡率も高くなることが知られています。我が国では以前より心筋梗塞よりも脳卒中にかかりやすいと言われていて、沖縄県全体で調べた調査では脳卒中は心筋梗塞の4倍と報告されています。

高血圧と脳卒中は段階的な正の関係があり、粕屋郡久山町のデータを下記に示しますが血圧が140mmHgを越えた当たりから急激に脳卒中の発症率が上昇します。

院長コラム:高血圧について

2003年に発表された「健康日本21」でも収縮期血圧(上の血圧)10mmHgの上昇は、男性では約20%女性では約15%、脳卒中の罹患・死亡の危険性を高めると言われています。逆に収縮期血圧2mmHg低下させると脳卒中罹患率は6.4%の低下が、虚血性心疾患罹患率は5.4%の低下が期待できるとされています。

日本人の高血圧患者の特徴は、かっては食塩摂取量がきわめて多いやせた体型の患者が多いとされていましたが、食習慣を含む日常生活の欧米化によって肥満に伴う高血圧が増加しています。いわゆるメタボリックシンドロームです。平成18年の国民健康・栄養調査では20歳以上においてメタボリックシンドロームが疑われるのは男性24.4%女性8.2%とされています。摂取カロリーの制限と運動習慣の継続が血圧管理という点においても大変大事になります。

<成人における血圧値の分類>
至適血圧 120/80mmHg以下
正常血圧 130/85mmHg以下
1度高血圧 140-159/90-99mmHg
2度高血圧 160-179/100-109mmHg
3度高血圧 180/110mmHg以上
<降圧目標>
若年者・中年者 130/85mmHg未満
高齢者 140/90mmHg未満
糖尿病・心筋梗塞  
腎機能障害 130/80mmHg未満
脳血管障害 140/90mmHg未満